反橋(サンプル)
數百年間あると云ふ
神明造にひしめく袖達
反橋の上で休んでゐる
うちわを扇ぐ女學生一人
賑ふ屋臺にまばゆい提燈
流行の矢絣の彼女は
小川に映つた浮世のまぼろし
睨み附けてみて嘆いてゐる
面倒な日々の
難き世のしがらみ
絡めとられ反橋
それを樂しみ生きやう